料理名：故郷

糖の料理：「故郷」

糖＝炭水化物なので米を選びました。しかし日本の米の位置づけとは違いフランス料理は主にパンを主食として食べるので米はつけ合わせ、つまり野菜と同様の位置づけとして考えました。そこにあたって選んだ食材は、すべて手作業による小豆島産の棚田米という希少米、その棚田米とその地域の湧き水を使っている日本酒、完全無農薬のレモンを使用し、日本酒ベースのバターソースに仕立てレモンでそのソースの酸味を補わせています。メイン食材はアワビで、それ自体にクセがなくその海で育ったほのかな磯の香りが残っているのでより米の味、ソースの香りを邪魔することなくバランスのよい味わいになっています。すべて小豆島の食材を使うことで料理自体が完成度の高いものになり、フランス料理ならではの塩と油と酸味を生かした一体感のある一皿に仕上げました。糖質についてさまざまな議論が交わされているが、今の自分が表現できる一皿に仕上げました。