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チャレンジの無いところには、「自信」も生まれない

松久信幸(レストラン「NOBU」経営者 / シェフ)

INTERVIEW 2013.07.31

松久信幸氏は全米ベストシェフ10(Food & Wine紙)や「TIME」紙の“Asia’s Heroes” に 選ばれ、現在は自身の経営する店舗をニューヨーク、ラスベガス、ドバイなど多数の国で店舗展開しているほか、NOBU HOTELもプロデュースするなど幅広い活躍をしている。 世界的に成功をしているレストラン経営者でありシェフである同氏に、若き料理人へのメッセージをいただいた。

 

一日一日一生懸命生きていた

 

——NOBUさんは今回のRED U-35の対象者のような30代前半の頃、どのようなことを考えで仕事をしていましたか?

 

僕は24歳で南米(ペルー)に出て挫折をして、28歳でアラスカに行って借金をして作ったお店が開店50日後に火事で全焼してしまうという経験を20代でしています。30代前半の頃はその借金もありましたので、夢というのではなく、借金を返しながら、「俺はこの仕事しかない。この仕事しかないから一日一日一生懸命生きていこう。とりあえず一日一ミリでもいいから前に進みたい」そう思っていましたね。
その後38歳でMATSUHISAを開けたんですけれど、「こうなりたい」とか「こうしたい」というものはなくて、まず一日一日、いつも一生懸命生きていたような、今振り返るとそんな気がしますね。

 

——RED U-35は35歳未満という若い人を対象にしています。若い人に伝えたいことはどのようなことですか?

 

30代前半というのは、ちょっと古い言い方かもしれませんが、僕らは包丁が一番動くという時期なんて言うんですけれども、子供ではない、大人なんだけれども、調理人にしては不安を持ちながら、これでいいのかという不安を抱えている年齢でもあると思います。そういう年齢の人たちにとって何が一番大切かというと、色々な世界を見ることということと、色々な人と出会うということ。つまり、自分で前に進んでチャンスを作っていかないといけないということです。
そして、その時に失敗というものは人間だれしも恐れると思うんですけれども、もうこの世界に入って、35歳近くになったら、失敗というものはその人にとってプラスだという考えに変えた方がいいですね。失敗から学んでいく。今のうちにもっともっと失敗をしておいた方がいいというのが僕からのアドバイスです。
仮にチャレンジをして失敗をしても、その失敗という経験は必ず自分の所に戻って来るんですよ。実は、僕は最近になってそう感じているんです。この年までにこうしようではなく、今まで一生懸命生きてきた結果が自分に戻ってきて今の自分があるのだなと感じています。
だから、確かに色々なことを学ぶということは大変なんですけれど、それが最終的にはすべて自分のところに戻って来るわけです。ですから、面倒だとか、大変だとか、そういった考えは自分の頭の中からすっぱり取り払って、何に対してもチャレンジをするような生き方をしていってほしいと思いますね。

 

——RED U-35へのエントリーにあたり、料理で自分を表現をするということはなかなか経験の少ない人にとっては難しいことかもしれません。そんな人たちにNOBUさんからのアドバイスというものがあれば教えてください。

 

思いついたらやってみる、ということですね。
料理は作り始めれば必ずそこには何か形として残ります。そしてそれを食べてみると、今度はそこでまた必ず何か新たな発見があったりするわけです。料理は止まることはないんです。
料理というのは頭の中ですべて組んで、これはこうしたらこうなる、といってできるものではないですよね。一つひとつのプロセス、それは温度であったり、素材の厚さであったり、すべてのディテールに自分の感性でやってこれでいいと思ってできたものでも、またできた時に「あ、これはこうした方がもっといい」というふうになっていくはずです。そうやって常に自分のモチベーションを高めていく。そうすると、そこには感性が生まれ、自然と進化をしていきます。
そして、料理人のいいところは、それが自分だけのマスターベーションではなくて、それをお客さんに食べていただき、その反応が見られるわけです。ですから、まずは精一杯やってみて、お客さんからの反応を見て、そして自分のモチベーションを上げていくことが大事です。毎日、その繰り返しだと思いますね。
もうシェフなんです。職業を変えるわけではないですから、プロの料理人として、前に進んでいき、その中で常に新しい発見を見つけていくということは大事だと思います。

 

——RED U-35への挑戦をお考えの方に、メッセージをお願いします。

 

自信というものは、最初からあるものではないんです。何か乗り越えた時に、それが自信につながります。そして、何かを乗り越えるためには、その乗り越えるためのチャレンジをしないと乗り越えることができません。だからこそ、前に進む、チャレンジをすることが大切です。
RED U-35も、皆さんの前にせっかくの良いチャンスがあるわけですから、ぜひ多くの人にチャレンジをしていただきたいと思います。

プロフィール

松久信幸(レストラン「NOBU」経営者 / シェフ)

1949年、埼玉県生まれ。東京・新宿「松栄鮨」で修業した後、ペルー、アルゼンチン、アラスカでのレストランの経験を経て、1987年、ビバリーヒルズに「Matsuhisa」を開店。その後、ニューヨーク、ロンドン、東京など世界各地に出店している。特に、「Nobu New York」は、トム・クルーズ、スピルバーグ、ジョルジオ・アルマーニ、レオナルド・ディカプリオ、マドンナら、多くの著名人が来店する店として知られる。

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