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職人からアーティストへ、“ダイヤの原石”を探したい

千住 明(作曲家)

INTERVIEW 2017.05.25

日本を代表する作曲家のひとりであり、無類の美食家としても知られる千住明氏。トップクリエイターならではの嗅覚が探り当てる“ダイヤモンドの原石”とはどのようなものなのか。料理人を見る独自の視線に迫った。

 

——美食家としても知られる千住さんにとって、“料理”とはどのような存在なのでしょうか?

 

40歳くらいまで専門分野である音楽にだけ打ち込んできたので、まったくの無趣味でした。そんな余裕もなかったのが正直なところです。しかし、40歳も半ばにさしかかったころでしょうか。自分の音楽に何かが足りないと思っていたときに、兄(千住博氏)がこんなことを言ってくれたのです。「同業者から学べることはもうないだろう。学ぼうと思ったら、何からでも学べるはず。クリエイターは、他分野のクリエイターと交わらなければならない」と。そこで思い浮かんだのが“料理”だったんです。もともと音楽家でなければ、料理人になりたかったくらいですから。

 

——料理人のどんなところに刺激を受けるのでしょうか?

 

頭を創作モードに切り替える、ウォームアップの作業が本当に大変で、ときには1週間かかることも。そんな、いわば“助走期間”には、完全にスイッチをオフにすることなく、脳をアイドリング状態に保ちながら、なおかつ適度なクールダウンも必要なんですね。そんなときにいい刺激をくれるのが料理。音楽家と料理人は、ひじょうに近い部分があると思うんです。たとえば、コンサートプログラムの構成を考えるときに、西洋音楽の場合、作曲家はまずどこにピークをもってくるのかを決めるのですが、それはメインディッシュを中心にメニューを組み立てる西洋料理人の思考にも近く、同じ脳を使っているな、と感じることがあるんですよ。そのなかでも、“職人”の域を超えて、“アーティスト”といえそうなクリエイティビティをもつ方の料理は、さまざまなヒントを与えてくれます。

 

——では、同じクリエイターとして、「RED U-35」の挑戦者たちのどんなところに注目していますか?

 

テクニカルな部分については、その道の巨匠がジャッジしてくれるでしょう。私が、注目しているのは+αの部分ですね。料理人としてマスターしておくべき技を過不足なくもっている人を職人とするならば、その域からアーティストに脱皮しつつある人、あるいはアーティストになれる“個性”や“センス”をもつ人というのは、同じ脳を使い表現をするクリエイターとして、“匂い”でわかるもの。“未来の巨匠”の片鱗を見逃すことなく、“ダイヤモンドの原石”を見つけるのが、僕の役目だと思っています。

 

——最後に「RED U-35」の挑戦者たちへのメッセージをお願いします。

 

コンペティションというものは、ちょっとした運命のいたずらによって、多くの涙が流されるものです。それは僕自身も体験していること。結果がどうであろうと、現実を受け入れて、その後の料理人人生をまっとうしていただきたい。人生はロングレース。最後に結果を出せばいいんです。それに、「RED U-35」での出会いも大切にしてほしいですね。音楽界でもそうですが、近い将来日本の料理界を背負って立つキャストは、ほぼこの年代に出そろうもの。その顔ぶれは今後の長い時間を共有していく人たちです。このコンペティションを勝ち抜き選ばれた人は、そのプライドをもって、素晴らしいクリエイターになってほしいと思います。

プロフィール

千住 明(作曲家)

1960年東京生れ。東京藝術大学作曲科卒業。同大学院首席修了。修了作品は史上8人目の東京藝大買上、同大学美術館に永久保存。代表作にピアノ協奏曲「宿命」(ドラマ「砂の器」劇中テーマ曲)、オペラ「万葉集」「滝の白糸」、「カレンダー組曲」等。ドラマ「ほんまもん」「砂の器」「風林火山」「流星ワゴン」「LEADERS」、映画「愛を乞うひと」「黄泉がえり」「涙そうそう」「追憶」、アニメ「機動戦士Vガンダム」「鋼の錬金術師FA」、NHK「日本 映像の20世紀」「ルーブル 永遠の美」、TV「アイアンシェフ」、CM「アサヒ スーパードライ」、ウィーン美術史美術館&TBS公式テーマ曲「Glorious Museum」等、音楽担当作品は数多い。3度の日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞等受賞歴多数。メディアへの出演も多く、NHK「日曜美術館」のキャスターもつとめた。東京藝術大学特任教授。

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