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野村友里|その土地でしか表現できないひと皿に出会いたい

野村友里(eatrip主宰/料理人)2022審査員Interview

INTERVIEW 2022.06.06

「restaurant eatrip」(原宿)と「eatrip soil」(表参道)の2店舗の運営を軸に、料理教室からケータリング、イベント企画・プロデュース・キュレーションまで、幅広く活動する野村友里氏は、料理人のあり方が多様化する現在を象徴する存在だ。そんな野村氏がこの度、「RED U-35」の審査員に就任した。多彩な活躍をみせる野村氏だが、その料理哲学は極めて素朴。言葉をかみしめるように「RED U-35」に臨む想いを語ってくれた。

——ご友人にも「RED U-35」の出場者がいらっしゃるそうですが、このコンペティションをどのようにご覧になっていましたか?

挑戦した友人から「RED U-35」の話を聞いて、まず、料理のジャンルを問わないところ、そして料理技術のみならず人間性も評価の対象になるというところを興味深く感じました。また、優勝賞金500万円というのも魅力的ですよね。というのも、若い人が飲食店経営をはじめようとすると、どうしても最初の資金繰りに苦労しますから、この賞金を運転資金に充てられるというのは、とても大きなことだと思うのです。

飲食店経営においては、やりたいコンセプトを実現できても、実際の売り上げが伴わないことが多々あります。ですから、高い志をもった若い料理人が、自分の考えを世にアピールできて、同世代の料理人の仲間に出会えるきっかけにもなり、なおかつ、優勝すれば大きな賞金を手にできるこの大会は、もうそれだけで価値があると思います。

——審査では、どんな料理人との出会いに期待していますか?

全国各地からすぐれた食材を取り寄せれば、どんな場所にいてもある程度の料理をつくることはできるでしょう。そんな状況だからこそ私が惹かれるのは、その土地でしか表現できない料理をつくる人。日々の営みや、その歴史や風土に根ざしたひと皿を創出する料理人には憧れすら感じます。独自の風景と、そこで育まれた食材とをマリアージュして美味なるひと皿に昇華できる料理人の登場に期待します。

※野村氏提供の写真/eatrip soilやrestaurant eatripなど野村氏あてに全国から届けられた食材

——今大会のテーマである「旅」からイメージする料理とは?

旅と聞いてすぐに思い浮かぶのは、その土地にしかない、旬のものをいただいた記憶です。食べ慣れた食材であっても、特有のスタイルで調理されたようなもの、つまり素材の捉え方がまったく異なる料理も刺激的。目の前で処理され、調理された鶏を食すなど、普段はなかなかできないプリミティブな体験もまた、深く脳裏に刻まれています。

食材としての鶏や豚や牛が、もともとは生きた動物だったという当たり前のことを思い出させてくれるような料理をつくること……それが料理人の大切な仕事のひとつだと思っています。いわば素材の記憶を感じさせる料理に出会ったとき、人は感動するのかもしれません。

——今なぜ地方に注目が集まっているのか? 都市型レストランとはどのように共存していくべきでしょうか? その点をふまえて、挑戦者へのメッセージをお願いします。

近年地方を拠点にする料理人の活躍は目覚ましいものがあります。それは当然の流れなのかもしれません。というのも、食材の輸送距離やコスト、お店の賃料などを考慮した場合、料理人のほうからすぐれた食材の豊富な産地に近寄るほうが合理的だと思うからです。

理想は、それぞれに魅力がある都市型レストランと地方レストランを、人びとが周遊する循環が生まれること。全国どこに出かけてもおいしいものに困らないのが日本の特筆すべき美点のひとつですから。長い歴史と豊かな風土に育まれた我が国の食は、すべてにおいて世界にアピールできる文化です。ですから、「RED U-35」では、日本の食に対して誰にも負けない愛情をもつ人に出会えたら嬉しいですね。

※野村氏提供の写真/eatrip soilの庭

*text by Moji Company

プロフィール

野村友里

eatrip主宰/料理人
長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。ケータリングフードの演出や料理教室、雑誌での連載やラジオ出演などに留まらず、イベント企画・プロデュース・キュレーションなど、食の可能性を多岐に渡って表現している。2012年にrestaurant eatrip(原宿)を、2019年11月にeatrip soil(表参道)をオープン。生産者、野生、旬を尊重し、料理を通じて食のもつ力、豊かさ、美味しさを伝えられたら、と活動を続ける。

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