料理名：gris大根

九州に伝わる「灰干し」にインスピレーションを得て、昆布を炭化させ、それをパウダー状にしました。昆布パウダーを蒸した大根にまとわせ、1週間寝かせることで、昆布の豊かな香りと旨味を凝縮させました。大根は、昆布の香りをしっかりと吸収するだけでなく、余分な水分も炭化した昆布パウダーが吸収し、旨味をより濃縮させます。さらに、ソースには黒麹を発酵させピューレ状にし、そこに切り干し大根の煮汁を加えることで、黒麹の爽やかな酸味と切り干し大根の香りが広がり、味わい豊かなソースに昇華させました。仕上げに昆布オイルで香り豊かに仕上げ、まるで海と土が融合したかのような、深い味わいと香りが広がる一皿です。この灰干しのように日本にはまだ世界に知られていない伝統的な調理法がたくさんあり、日本から世界へ発信していくと共に「後世に残していきたい」という思いでこの料理を作りました。