料理名：縁の下に咲く

日頃から自然のサイクルに寄り添って料理することを意識しており、テーマ発表時期に自社農園や近隣地域で生産・水揚げされた食材を使用して構成。 主役の蕪は副産物として出たホエーに漬け込むことで『捨てるものなどない』と言わんばかりに旨味や深みが増し、フレッシュチーズのような味わいに。 噛む度に旨味が広がる河豚と生ハムの端材を活用したコンソメ餡は、全体を優しく繋ぎ合わせ、蕪の下に敷いた松の実、マスタード、味噌が味の変化を楽しませます。 『日本から世界へ』を意識し器にも拘りました。私の恩師が世界大会で優勝した時の器が蓋付きの器で、蓋を開ける期待感や立ち上る香りが審査員に好評でしたので、蓋付きの器も多くの人に届けたい日本の食文化です。 今回は鳥取の器を使用し、蓋を開けると広がるオリーブオイルとカモミールの香りは、春に咲く花や新緑のような瑞々しさがあり、そこにREDに挑む私たち料理人の姿を重ねています。