あぶらは人間にとって細胞を作る上で重要な働きをします。揚げ物は嫌いな人がいないくらいに好まれ、子供の頃から家庭では親しまれてきた料理です。好き好んで食し知らず知らずのうちに新しい細胞を作り体の組織を作り上げています。すなわちあぶらとは人間の身体が無意識的に優先して取り込んでいる存在なのだと思います。しかし現代人はバランス良く摂取するべきあぶらも偏り過ぎていて健康面で考えると改善したい所です。今回は天然の素材が持つ脂に注目しました。大海原で育った鯛の脂をベースにしたスープを作り、汁ごと食してもらえるように素麺と共に。旨味は温度が上がると増すので熱々のスープをかけて。鴨の脂とゴマの香りで仕上げた新ゴボウのキンピラを添えました。鴨は融点も16℃と低く消化しやすい良質な脂でネギと相性が良いです。天然の旨味とコクも引き出しつつ食べる側の味覚も潤すことが狙いです。 |