飯田 夢崇
YUMETAKA IDA
所属:俺のフレンチ・イタリアン JAZZ OMORI
リンク:ぐるなび掲載ページ
所在地:東京都
ジャンル:フレンチ イタリアン
役職:料理長・シェフ
2014 BRONZE EGG
課題料理名:黒崎茶豆の滑らかなヴルーテと豆乳のフラン
豆の持つ繊細な風味をを引き出しながらも、フランス料理らしい力強い味付けを目指しました 茶豆は香りが命なので、調理の過程でいかに香りを引出し、そして、それを失わないようにするかがポイントです。このヴルーテでは加熱、ミキシング、冷却を迅速に行うことでポイントを抑えました。 豆乳のフランは、フランで、豆腐をイメージしたわけではありません。 クリームとパルミジャーノを加え、大豆の風味に発酵した乳脂肪分を加え、さらに凝固させるために全卵ではなく、卵黄のみを使用するることで、塩を1%と、多く入れることができました。 豆乳だけだと塩が浮いてしまいますが、脂肪分が入ることで、塩とのバランスが取れ、大豆の味の輪郭がよりくっきりと浮かびあがりました。 技法はフレンチですが、食材が和なので、仕上げに花穂をあしらうことで味の整合性が取れ、郷愁を誘う、心温まる作品に仕上がりました。料理人として、料理に対する思い・夢・目標
私の夢は、そこで働くすべての人が幸せになるように、料理を通じて道を作ることです。そして、10年後、誰一人欠けることなく、こんにちの苦労を全員で、そんなこともあったと、笑いあうそういう環境を飲食業界に作ります。俺のフレンチなどを展開している「俺の株式会社」では2013年4月より、社内教育機関「俺の食アカデミー」の運営をスタートさせました。私は俺のフレンチ・イタリアン青山店の料理長であると同時にこの「俺の食アカデミー」の責任者でもあります、なぜ、夢を途中であきらめてしまうのか。「料理人として生きていくことをやめる原因」は3つあります。1給料、特に高級フランス料理店や割烹料理店などの専門性の高い店は、技術の習得の難しさ、労働時間とは逆に生活することさえ困難な初任給の店がほとんどです。料理に対してストイックになれる環境と、低賃金は無関係です。勉強のために高級料理店に足を運んだりすることにお金が必要なことは辻静雄氏も著書の中で言っています。2人間関係、調理場内に陰湿ないじめがあったり、暴力があったり、私の過ごした駆け出しの時代はひどいものでした。自分のことしか考えない「利己」の精神が人間関係、生産性を悪化させます。「利他」の精神でチームの誰もが仲間を思い、共に汗を流せる環境をつくらなければいけません。3成長、仕事の上で最高の喜びは自身が成長を実感していることです。レシピなど、必要な情報は全員が共有し、忙しい中でも効率的に成長できるように、道を整備する必要があります。「見て盗め」のような精神論は確かに必要ですが、心が折れてしまっては本末転倒です。最高効率で人を成長させ、その先頭に立つことで自分自身も成長する。そして、社会全体を巻き込んで、馬鹿げたことだと人が言ったとしても、歴史が証明すると信じ、「10年後の人の生存率が1割未満の飲食業界」を変える。これ以上の意義のあることはないと信じています。