料理名：青海波に想いを込めて

和柄の定番であり、か茂免のロゴにも使われている青海波に着想を得ました。京都で勤めていた経験から、平安文化の代表的な物語の源氏物語からヒントを得て料理を考える事もありました。『紅葉賀』に登場する青海波の舞を再現しています。萌黄色の着物で舞う光源氏を冬瓜で、その舞を眺める藤壺を紫蘇のジュレで、二人の許されぬ恋心やその儚さをトマトわらび餅とラズベリーと土佐酢の泡で表現しました。また泡と鱧は海や波を表現し、泳がせた海老は舞を舞う中で散りゆく紅葉を表現しています。青海波には人々の平和な暮らしが未来永劫続く願いが込められています。料理を食べる時間は一瞬でも食べた時の感動が長く続くように、そしてその感動が未来への活力になるように、昨今の情勢での不安な気持ちを払拭できるようにと青海波の祈りを込めました。また、千年以上愛される物語にあやかり、和食がこれからも愛され続けるようにという願いも込めています。