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“サプライズ”が笑顔をもたらす「CLUB RED スマイルデリバリー」

レポート 2020.07.09

“サプライズ”が笑顔をもたらす「CLUB RED スマイルデリバリー」

「CLUB RED スマイルデリバリー」が子どもたちに届けたのは、一流の料理人が手がけた美味しくて栄養たっぷりのお弁当と、仲間との楽しいひととき。そして愛あふれるメッセージだった。

若手実力派料理人が集結
ミッションは子どものお弁当づくり

新型コロナの影響により、学童保育では、3月の休校時から医療従事者や警察、消防、介護など社会の機能維持に欠かせないエッセンシャル・ワーカーの子どもたちを受け入れてきた。そんな学童の子どもたちへ元気と笑顔を届けるために発足したのが「CLUB RED スマイルデリバリー」--子どもたちへ「食事&食育」を無償提供するプロジェクトである。

その第一弾となる今回のトライアルイベントに立ち上がったのは、幼少期より自然食に触れて育ち、かねてより食育に強い関心を寄せてきた野田達也氏(コレクティブ メゾン nôl シェフ/RED U-35 2019準グランプリ)だ。

2020年6月29日(月)午前7時半。DDD HOTEL(東京・馬喰町)のキッチンには、野田氏率いる若き料理人6名が集結した。野田氏に与えられたミッションは、「子どもたちが笑顔になるお弁当をつくること」、そして「オンラインでの食育授業」である。

実際には前日にも仕込み作業が行われており、その様子を野田氏が撮影。子どもたちに見せるため、自ら徹夜で動画編集作業をしたという。

作業開始早々、ケチャップライスを手がけるスタッフの傍らでは、アスパラガスをソテーする者、あるいはハッシュドポテトを揚げる者など、統率のとれた集団はスピーディに、そして確実に料理の数々を仕上げていく。その様子は、一流レストランのキッチンさながら。それもそのはず、彼らが所属するのは都内の有名店。なかにはレストランが休業中の料理人もおり、野田氏曰く「みな料理をしたくてウズウズしていた」そうだ。

作業開始から約2時間を経過した頃、野田氏が完成した品々を、彩りに配慮しつつランチボックスに詰め込みはじめると、お弁当の全貌が明らかになった。

「これまでのように自由に行動ができず、ストレスを抱えているかもしれない子どもたちのために、少しでも楽しい気分になってもらうため」と語る野田氏が用意したのは、「スマイルピクニックBOX」と題された2段重ねのランチボックスである。

下段には、海苔で描かれたスマイルマークがかわいい海苔巻きご飯とケチャップライス、煮込みハンバーグボール。上段は、アスパラガスのベーコン巻き、ヤングコーン、パプリカやブロッコリー、ハッシュドポテトなどが散りばめられた、バラエティ豊かで色あざやかな仕上がりである。

もちろん、見た目だけではなく、マリネされたトマトや、ニンニクとオリーブオイルで香りづけされたブロッコリー、ソフリットの甘みを生かしたケチャップライスなど、手間のかけられた品々はいずれも本格派だ。

「苦手なものがあるかもしれませんが、パプリカやアスパラガスなど、あえて味にクセのある野菜も、美味しく食べられるように工夫して入れてみました。これをきっかけに苦手な食材が一つでも無くなってくれたら……。そんな願いも込めてみました」(野田氏)。

はたして野田氏の想いは、子どもたちに届くのか。午前10時前。6名が精魂込めたお弁当は、専門のデリバリー業者によって、子どもたちのもとへ運ばれていった。

“心の食事”の大切さを伝える
アレルギーフリーのお弁当

そんなスペシャルなお弁当を待つのは、特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクールが運営する帝京大学小学校(東京・多摩市)のアフタースクール「帝翔塾」の子どもたち12名(小学校1年生〜5年生)である。

正午前。いよいよランチボックスが到着。色鮮やかな2段重ねのお弁当は、野田氏の狙いどおり第一印象で子どものハートをがっちりとつかんだようだ。

「みんな口をそろえて、すごくきれい!と興奮していました。とにかくハンバーグが大人気で、おかわりしたいと言う子どもも。お弁当ひとつで、ここまで子どもたちの心をハッピーにしてしまえるものなのかと驚きました」と語るのは、その様子を見守っていた放課後NPOアフタースクールの佐藤晴花氏だ。トマトが苦手なお子さんも、丁寧に湯むきされたトマトを、「美味しい!これなら食べられる!」と言いながら、残さずに食べたという。

ちょうどその頃、野田氏はノートパソコンのモニターを前に、司会を務める同NPOのスタッフとともに、オンラインプログラムのリハーサルの最中だった。普段とは勝手がちがう子どもたちが相手とあって、直前まで少々落ち着かない様子を見せていた野田氏だったが、子どもたちの笑顔を見た瞬間に緊張がほぐれたという。

「野田シェフ〜!」という子どもたちの元気な呼びかけとともに、プログラムはスタート。「お弁当美味しかった? 何が美味しかった?」という問いかけに、「ハンバーグ!」「ケチャップライス!」など、次々にモニター前にやってきて感想を伝える子どもたちの様子に、野田氏は安堵の笑みを浮かべていた。

続いては、お弁当と野田氏に関するクイズコーナー。クイズは3問。正解者には、CLUB REDステッカーがプレゼントされた。

1問目の「みんなが食べたお弁当に入っていたこの野菜(食材の画像はモニターに表示)の名前は?」(正解はヤングコーン)に続き、2問目の「お弁当に入っていたハンバーグをふわふわにする隠し味はなんでしょう?」も、やや難しい問題かと思われたが、こちらも全員正解(答えは豆腐)。

そして「私は外国で料理の修行をしていました。それはどこでしょう?」というクイズにも、難なく正解(答えはフランス)。それは、お弁当に添えられたメッセージカード(野田氏のプロフィールの記載あり)や、前日の仕込みの様子を記録した動画(ハンバーグに豆腐を入れるシーンあり)を、お弁当に夢中になりながらも、みな熱心に見ていた証拠だろう。

クイズで盛り上がった後は、野田氏から子どもたちに次のようなメッセージが送られた。

「みんなアレルギーって知ってるかな?(知ってる!の声多数) すごいね! みんなが知ってるように、アレルギーっていうのは、食べたり触ったりすると、痒くなったり、息が苦しくなったりするものですね。今日みんなが食べてくれたお弁当は、アレルギーの原因となる食品(特定7品目)を使わずにつくったものです。

みんなの周りには普段、アレルギーのせいで自分とは違うお弁当を食べているお友達がいるかもしれません。そんなお友達とも、仲良く同じものを食べて、楽しい時間を過ごすことができる食事もあります。体にいい食事はもちろんだけど、心の栄養になる食事もとっても大事だと思っています。そして、僕たち料理人は、アレルギーの食材を使わずに美味しい料理をつくることができます。

外に食事に行くときも、お店の人に苦手な食材を伝えてくださいね。レストランでも楽しく食事してくれたら嬉しいです。アレルギーに対応した食材や調味料が今はたくさんあるので、それを使ってもらうように、お母さんがもし知らなかったら、みんなから教えてあげてね! 美味しい食事をして、心も体も健康になってほしいです」。

オンラインでのプログラムを終えた野田氏は、「楽しかったです」と一言。自らが手がけた料理を、遠隔ではあるが目の前で食べてもらえるという喜びを、久しぶりに思い出したと言う。

「食材や添加物についての正しい情報はもちろん、そして何より家族や仲間がそろって食事を楽しむことの大切さを、今後も訴えていきたいと思っています。実際僕の周りでも、今回の自粛期間に家族で食事をする時間が増えたことで、互いの距離が縮まったという声をたくさん耳にしました。今回のイベントをきっかけに、食事を通して楽しい時間が増えてくれたら嬉しいですね」。

その想いは、子どもたちの心に確実に届いたはずだ。
 
「CLUB RED スマイルデリバリー」は、まだまだ始まったばかりである。今回のトライアルでは、さまざまな発見があった。CLUB REDは、その経験をほかのメンバーと共有しながら、今後もこの活動を継続していく予定だ。全国各地の有志が同じフォーマットで実施したり、自らシェフを求める学童を募集するなど、このプロジェクトが自走していく仕組みづくりを目指していきたい。

*参加いただいた料理人|都築拓真、河野力蔵、坂井優飛、横山昴汰、犬飼裕也
*協力|特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール
*Author|RED U-35編集部(MOJI COMPANY)

《スマイルピクニックBOX》メニュー

【1段目】海苔巻きスマイルおにぎり、ケチャップライス、煮込みハンバーグボール(ふわふわ豆腐ハンバーグ)

【2段目】アスパラガスの豚バラ巻き、トマトのマリネ、ブロッコリーのアーリオオーリオ、ミニ焼きトウモロコシ、パプリカのグラッセ、石野さんのフルーツトマト、ハッシュドポテト、エリンギのソテー、さくらんぼ、人参のオレンジ風味

【スープ】香味野菜のスープ

●「ふわふわ豆腐ハンバーグ」レシピ・作り方
アレルギー特定原材料7品目不使用で、みんながおいしく食べられる野田シェフオリジナルレシピ

【材料(2人前)】

合い挽き肉 (120g)
玉葱 (1丁)
木綿豆腐 (半個)
片栗粉 (大さじ2)
顆粒ブイヨン[アレルギーフリーのもの] (小さじ1)※
オリーブオイル (適量)

<ソース>
中濃ソース (大さじ2)※
ケチャップ (大さじ4)※
酒 (小さじ2)
味醂 (小さじ2)
水 (50cc)

※ 調味料の原材料にアレルギー物質が含まれている場合があります。ご使用になる調味料の原材料にもお気をつけください。

【作り方】

1. 玉葱をみじん切りにしてオリーブオイルで炒めて冷ましておきます。

2. 木綿豆腐を6等分に切って湯通しします。ボウルに入れてラップをし電子レンジで加熱でも大丈夫です(600w 2分)

3. ボウルに合い挽き肉、1、2、片栗粉、無添加ブイヨンを入れて良く練り混ぜます。

4. 3を好きな形に成形します。

5. フライパンを中火にかけてオリーブオイルをしき4を並べます。美味しそうな焼き色が付いたらひっくり返して同じように焼き色をつけます。ソースの材料を加え蓋をして弱火で10分蒸し煮にします。

6. 5に火が通ったらハンバーグを取り出し残った煮汁を煮詰めてソースに仕上げたら完成です。

関連するシェフ

  • 野田 達也
    専門:Défricher cuisine
    所属:コレクティブ メゾン nôl

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