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【日本博×CLUB RED】日本を旅するダイニングin北陸#02 試作・試食会をレポート

LABO 2021.12.28

日本を旅するダイニングin北陸 旅を通じて出会った食、文化、人から受けた学びとひらめきを形にする試作・試食会をレポート

明日の料理界を担う若き才能を発掘するコンペティション、「RED U-35」で 優秀な成績をおさめた料理人や歴代の審査員が集う食のクリエティブ・ラボ「CLUB RED」と、 文化庁と独立行政法人日本芸術文化振興会が主催する「日本博」とのコラボレーション「日本博×CLUB RED」。 その第二弾プロジェクトが、「日本博×CLUB RED 日本を旅するダイニング in 北陸」。

今回の舞台である北陸は、海の幸にも山の幸にも恵まれ、豊かな発酵食品が発達。 歴史的にも様々な地域と交流しながら育まれた食文化。数多くの伝統工芸や伝統芸能も盛んな地域。 プロジェクトには北陸に店舗を構える4人のメンバーが集った。

川嶋 亨 (2018 GOLD EGG日本料理 石川県出身)

1984年、石川県生まれ。「一本杉川嶋」(石川県七尾市)オーナーシェフ。短大を卒業後、調理師専門学校に入学。
卒業後、大阪と京都の日本料理店で腕を磨き、「居酒屋ながほり」(大阪府)、「日本の宿のと楽 割烹 宵待」(石川県)では料理長を歴任。

砂山 利治 (2017 BRONZE EGG フランス料理 石川県店舗)
1987年、ロンドンで生まれ埼玉県で育つ。「Les Tonnelles budoonoki」(石川県金沢市)シェフ。
都内のレストラン勤務の後2010年渡欧。2015年から仏「La Grenouillère」でスーシェフを務め、帰国までの数か月は、「Flocons de sel」に勤務。

濱多 雄太 (2018 BRONZE EGG 日本料理 富山県出身)
1984年、富山県出身。「浜多屋 魚津駅前店 hamadaya LABO」(富山)料理長。
名誉唎酒師の勲章を日本最年少で受賞。2022年秋新店舗開業準備中。

平田 明珠 (2017 SILVER EGG イタリア料理 石川県店舗)
1986年、東京都生まれ。「villa della pace」(石川県七尾市)オーナーシェフ。
都内イタリア料理店で修業後2016年石川県七尾市へ移住し「villa della pace」をオープン。宿泊施設を兼ね備えたオーベルジュレストラン。


コースを形作るヒントとなったのは、奥能登に伝わる風習「あえのこと」

2022年1月のダイニングイベントに向けて、
2021年春から始動し、北陸各地の食文化や食材、生産者との出会いを通じてようやく形が見えてきたコースの試食・試作会を12月初旬に開催。

(※ダイニングイベントは2021年1月21日、22日開催予定。チケット販売は締め切らせていただきました。沢山のお申し込みありがとうございました。)

コースを構成するための大きなヒントとなったのは、奥能登を訪れた際に出会った風習「あえのこと」。 「あえのこと」は、奥能登の代表的な農耕儀礼で、1976 年に国の重要無形民俗文化財、2009 年には世界無形遺産に登録された。 「あえ」とはもてなし、「こと」は儀礼、祭事を意味する。 奥能登の農家では、一年の収穫を終えた12 月に田んぼから田の神様を家に迎え入れ、近郊で獲れた山海の幸でもてなす。 そして神様とともに年を越し、翌春の2 月には再び饗応し、家から送り出してその年の豊作を祈願する。

「あえのこと」で神様に捧げる膳には海の幸も山の幸も使われ、器にも輪島塗が使われるなど北陸の食文化が詰め込まれている。 さらに、神様をもてなすための様々な工程や所作も含めて気づきもあり、この出会いがきっかけでコースイメージが膨らんでいった。

コース全体のバランスを見つつも、料理人それぞれの強みを織り交ぜられるかが鍵

「あえのこと」を踏まえつつ、4人の料理人それぞれ担当を決めて考案。 メンバー同士繰り返し意見交換をしていたこともあり比較的スムーズに試食会は進行。

元々交流のあったメンバーだったが、互いの料理を試食し合いながらこれまで以上に遠慮なく意見をぶつけ合い改善点を洗い出した。 特に、「もっと各自の得意ジャンルを活かした方が良いのでは?」「今回はいつもお店で振る舞う料理よりも、 チャレンジングな事をしてみても良いのでは?」など、 型にとらわれすぎず、 自分たちが考える“新しい北陸の食文化を表すコースとは何か”を命題にそれぞれの品を磨き上げていった。

▲豪快な藁焼を試みる川嶋シェフ

さらに、プロジェクトのプロデューサーである狐野扶実子氏からは「郷土料理や日本の食文化はもちろん大切にしつつ、 現代の料理人として環境への配慮や視点も大切にしたいですね。」というアドバイスを受け、 絶滅が危惧されている海苔を使うことで意識喚起をしたり、 廃鶏(採卵期間を終えて鶏舎から出される雌鶏のこと)を使うのはどうか?など、様々なアイデアが交わされた。

料理だけでなく様々な角度から北陸の文化を伝える。
イベント当日のプログラムを少しだけご紹介

伝統工芸も盛んな北陸には魅力的な器や作家たちとの出会いも多かった。
今回のダイニングイベントでも、料理に合わせて輪島塗、九谷焼、富山ガラス、金沢箔を使用した器やグラスなどを 実際に使いながら楽しむことができるように、試食・試作会では器の選定も行われた。

ダイニングイベント当日の会場では、料理人たちが今回の旅で出会ってきた工芸品や文化に関する展示を行いつつ、 プロデューサーの狐野扶実子氏とゲストによるトークショーも予定している。

 

1日目は、
1級フードアナリストで能登町ふれあいの里やなぎだ植物公園PR大使も務める長坂紅翠香氏から 「あえのこと」を中心に北陸の歴史や文化のお話、最近の北陸の食についてお話いただく。

 

2日目は、
塗師の赤木明登氏から北陸の工芸文化や、歴史だけでなく北陸の工芸を未来に伝え残していくために考えられていることなど。 ご自身の活動も併せて伺う予定だ。

※トーク、展示内容は予告なく変更される場合がございます。

 


▲試作された料理の様子。※当日とは異なる場合がございます。

試作・試食会を通じてコース全体と改善点を見ることができ実りのある時間になったが、 最後までより良くするために試行錯誤をし続けるというプロジェクトメンバーたち。一体どんなイベントに仕上がるのか?乞うご期待。

※後日、ダイニングイベント本番の様子も記事や動画にてレポートいたしますので、
イベントのチケットをご購入いただけなかった方々にもお楽しみいただけます。

<About>
日本博 Japan Cultural Expo 縄文から現代まで続く「日本の美」
「日本博」は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、総合テーマ「日本人と自然」の下、
日本全国で日本の文化芸術に流れる「日本の美」を国内外へ発信し、次世代に伝えることで更なる未来の創生を目指す文化芸術の祭典です。
日本各地で行われる日本博が、人々の交流を促して感動を呼び起こし、世界の多様性の尊重、普遍性の共有、平和の祈りへとつながることを希求します。
主催:文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会
https://japanculturalexpo.bunka.go.jp

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