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「高森町×CLUB RED シェフツアー」

レポート 2023.12.20

RED U-35の主催社である株式会社ぐるなびは総務省の「地域活性化起業人制度」を活用し、食や観光を通じた地域の活性化を⽇本全国の⾃治体と連携しながら実施しています。

※「地域活性化起業人制度」とは・・地方公共団体が、三大都市圏に所在する民間企業等の社員(地域活性化起業人)を一定期間受け入れ、そのノウハウや知見を活かしながら地域独⾃の魅力や価値の向上等につながる業務に従事する制度

長野県高森町に地域活性化起業人が派遣されていることから、高森町×CLUB RED シェフツアーを開催しました。

「高森町×CLUB RED シェフツアー」開催の背景

高森町は長野県の中でも比較的温暖な気候であり、各種農産物の南限・北限の境界に位置し、りんご、なし、ぶどう等の美味しい果物や野菜を収穫することができます。
また、高級干し柿の代名詞とも言える『市田柿』の発祥の里として知られています。
農産物を作る上で、地形・気候に恵まれているエリアではありますが、生産者が⾃身で価格決定しての販売・取引出来ていない状況があります。
シェフとのコミュニケーションを通じて、生産者が農産物の価値に気付き、新しい販路を模索するきっかけとなるよう今回のツアーが企画されました。

「高森町×CLUB RED シェフツアー」の目的

シェフに高森町の農産品(加工品)を実際に見て、食べて、触れて頂き、高森町の食に新たな魅力を見出してもらう事。
シェフから、農産品(加工品)について率直な感想・アドバイス(食べ方)を頂き、生産者が販路開拓及び販売方法を再検討するきっかけを創出する事。

【参加料理人】

井上 豪希
井上 豪希(2021 SILVER EGG 食のクリエイティブディレクション)
1985年生まれ。大分県出身 TETOTETO Inc. 東京都 食のクリエイティブディレクター

玉水 正人
玉水 正人(2021 BRONZE EGG フレンチ・イノベーティブ)
1986年生まれ。三重県出身 Wine Restaurant LE CONTE CONTE(東京都) Executive Chef

細田 隆広
細田 隆広(2021 SILVER EGG、2019 BRONZE EGG 中国料理)
1985年生まれ。長野県出身 hyatt regency tokyo 中国料理 翡翠宮 副料理長

木嶋 正明
スペシャルゲスト(地元 長野県伊那市出身 CLUB RED シェフ)
木嶋 正明(2016 BRONZE EGG 、2018 BRONZE EGG 中国料理)
1983年生まれ。長野県出身 中国菜 木燕(長野県伊那市) オーナーシェフ

高森町(伊那谷)の魅力の一つである南アルプスを一望できるスポットを視察
高森町(伊那谷)の魅力の一つである南アルプスを一望できるスポットを視察
最初に向かったのは、南アルプスが美しく見える高森町にあって随一のビュースポット「月夜平」です。
早朝には天竜川周辺一帯を覆う朝霧を、⽇中は綺麗な南アルプスと町の全景を、夜には綺麗な星に照らされる高森町の様子を眺めることができます。

平安時代から戦国時代まで市田郷を治めた松岡氏の居城(松岡城址)を訪問
続いて大河ドラマになった井伊直虎の許嫁 井伊亀之丞(のちの直親)をかくまった松源寺へ。
平安時代から戦国時代まで市田郷を治めた松岡氏の居城(松岡城址)を訪問しました。

初めに訪れた生産地はJAみなみ信州 市田柿工房。
市田柿作りにおける「皮むき工程施設~機械乾燥工程~柿もみ・天⽇干し工程」を視察しました。
市田柿作りにおける「皮むき工程施設~機械乾燥工程~柿もみ・天⽇干し工程」を視察

長野県高森町では600年以上前から渋柿の栽培が行われており、現在の高森町市田地域で栽培していた事から「市田柿」と名付けられました。
これを干し柿にしたものも「市田柿」と呼ばれ、江戸時代から親しまれています。
「市田柿」にはビタミンやミネラルの他食物繊維やポリフェノール(カキタンニン等)が多く含まれます。

水口農園
続いて訪問したのは「サンふじ」の収穫を終えたばかりの水口農園。
2023年のりんごの出来について生産者の木村さんからは、例年より「出来が悪い」との評価でしたが、
シェフからは「充分に美味しい」と、高森町のりんごについて高い評価を頂きました。
また水口農園では以前より山査子(サンザシ)の栽培に力を入れており、生のサンザシと瓶詰ドリンクの試食・試飲をしました。

市田柿作りへの想いを専務である片桐さんよりご説明頂く
続いての訪問先では、柿の圃場視察から市田柿皮むき工程~⾃然乾燥工程を視察、市田柿作りへの想いを専務である片桐さんよりご説明頂きました。
いちだ農産では、市田柿工程における様々なノウハウを公開し、市田柿発祥の地である高森町が継続的に盛り上がる事を期待しています。
いちだ農産の市田柿はゆっくりと乾燥させた後(昔ながらの製法)、12月中旬より出荷を予定しています。

Necchu Ring
Necchu Ringは、社会人塾 信州たかもり熱中小学校の同窓生を中心に結成した任意団体です。
高森町でも気候変動によって、今後りんご栽培の難易度が上がる事への対策として「青リンゴプロジェクト」をスタートしています。
ブラムリーやグラニースミス等のクッキングアップル作りの取り組みを説明頂きました。
もう一つの農業プロジェクトでは「山査子プロジェクト」があり、圃場視察及びサンザシパウダー等のサンザシ加工品、冷凍柿をシェフへ紹介頂いた後に意見交換しました。

もう一つの農業プロジェクトでは「山査子プロジェクト」があり、圃場視察及びサンザシパウダー等のサンザシ加工品、冷凍柿をシェフへ紹介頂いた後に意見交換しました。

2⽇目、最初に訪問したのは高森町産直センター「旬彩館」。
高森町で生産された野菜果物等を販売しています。現在、売り場に並んでいる農産物以外に月毎にどのような作物が収穫できているかを販売実績をもとに紹介頂きました。
現在(11月末)の農産物についても視察し、農産物の質の高さと手頃な価格にシェフからは驚きの声が多数上がりました。
旬彩館

フィンガーライムジャパン
フィンガーライムジャパンでは、オーストラリア原産のフィンガーライムを40種類栽培しています。
⽇本の中でもこれだけの種類を扱っているのは、フィンガーライムジャパン(高森町)だけとの事で、多くの有名外食店にて取り扱いが広がっています。
フィンガーライムの香りの強さと希少性や見た目の華やかさに、シェフと生産者の会話が弾みました。

夢ファームみなみ信州農場
続いて、夢ファームみなみ信州農場を視察。
現在は京都を中心に出荷しており関東圏での認知度は低いとの事ですが、京都食肉市場では特選牛に選ばれる等の評価の高い和牛ブランドです。
「ITを活用した牛の健康管理の取り組み」や「市田柿の皮を餌に混ぜる事で牛のげっぷに含まれるメタンガスを減らす取り組み」等の夢ファーム独⾃の取り組みを紹介頂きました。

天龍ロイヤルフィッシュ(チョウザメ)の養殖場を視察。
続いて、天龍ロイヤルフィッシュ(チョウザメ)の養殖場を視察しました。
チョウザメの魅力(身の栄養素、食べ方)、今後の養殖場拡大計画やキャビア制作計画について説明頂きました。チョウザメは、南アルプスから湧き出る良質な地下水を使い飼育されています。

天竜産業
シェフツアー最後の視察先「天竜産業」にて市田柿ピューレ(柿の皮)、ドライフルーツ、のし柿や他加工品を試食しました。
シェフから市田柿ピューレとのし柿の使い勝手の良さが評価された後、様々なアレンジメニューのアイディアが提案されました。

参加者

【CLUB RED 参加者の感想】

井上シェフ
楽しくて、有意義な二⽇間でした。市田柿発祥の地=高森町の印象がありませんでしたが、市田柿作りの現場を視察して、高森町が市田柿発祥の地という事が大変印象に残りました。
それ以外に印象的だったのはフィンガーライムを作っている方がいたり、クッキングアップルを作っている方がいたりと、面白い生産者さんが多い町だと感じました。
今後は生産者を活かすプレイヤーがどのように関わっていけるかがポイントだと感じます。

玉水シェフ
高森町にはほんとに素晴らしい食材があります。それぞれの生産者様が問題・課題をもう少し明確にされる事が大事だと思います。
それがあればそれに合ったアドバイスができると思います。
ある生産者様の問題点は既に他のエリアでは解決している事もあるので高森町内でも情報共有を進めるべきだと感じます。
各生産者の課題として、例えば具体的にはどのようなターゲットに売りたいのか等を明確にする方が良いと感じます。

細田シェフ
高森町の生産者を訪問し、各農家が非常に情熱を持って前向きに真摯に取り組んでいると言うことを強く感じました。
1つの事にこだわりを持って真摯に向き合って丁寧に作り出すこと。それは料理も農作物も同じだと思います。この二⽇間で改めて感じました。
皆さんが情熱を持っている姿が大変印象に残りました。
高森町食材を会社(ハイアットリージェンシー東京)の各レストランに紹介したいと考えています。

木嶋シェフ
「伊那谷の食材をどう使っていくか?それをいかに伊那谷の食文化と合わせて使っていくか?またそれを中国料理としてどう表現していくか?」
これが私のお店のコンセプトです。
高森町の農家を廻り生産者の様々な想い・活動を伺い、私たち料理人がお客様にその想いを伝えていく方法を考えていきたいと思います。
高森町さんの食材をぜひ使わせて頂きたい思いますし、協力をさせて頂き、伊那谷全体を盛り上げていきたいと強く感じています。
高森町×CLUB RED シェフツアー集合

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