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雪国の食文化を巡る3日間
南魚沼市×CLUB REDシェフツアー「食事編」

レポート 2026.05.25

新潟県南部に位置する南魚沼市。
越後の山々の雪解け水に育まれたコシヒカリ、清らかな水で仕込まれる日本酒、
そして長い冬を越すために培われてきた保存食や発酵の知恵。雪国ならではの暮らしの中で、この土地独自の食文化が受け継がれてきました。
南魚沼市では、こうした地域の魅力を「ゼッピン雪国宣言」として発信。南魚沼市の食などを軸に、観光戦略を推進しています。
その取り組みの一環として実施されたのが、CLUB REDの3名を招いた2泊3日の産地ツアー。生産者や地元料理人の声に耳を傾けながら、
雪国の食文化と食材の可能性を体感し、新たな料理の創出につなげる試みです。
ツアーの最後には、CLUB REDメンバーがそれぞれ「将来にわたり作り続けたくなる料理」のレシピを考案します。

2泊3日の産地ツアー内容につきまして、下記3テーマに分けてご紹介します。

産地視察編 食事編 講演・ディスカッション編

多数の応募の中から、南魚沼市の食が持つポテンシャルに大きな期待を寄せた下記3名が選ばれました。

清藤 洸希
1994年鹿児島県生まれ
専門:フランス料理
枯朽(東京都)オーナーシェフ
「素材が集まりすぎる東京」にジレンマを感じ、地方独自の食文化に強い関心を持つ。
白井 啓介
1992年茨城県生まれ
専門:創作料理
独立準備中
現在独立準備中。生まれ育った茨城県が食の分野でどんな個性を発揮できるのかを探ろうと、テロワールが確立された地域に注目している。
西澤 明奈
1990年福島県生まれ
専門:フランス料理
faire sourire(長野県)オーナーシェフ
数年後を目処に、長野県の古民家で飲食店をオープン予定。南魚沼産コシヒカリを「日本一だと思っている」と太鼓判を押す。
全国の美味しい食材を見つけるためにツアーに参加。

雪国の食文化を巡る3日間 南魚沼市×CLUB REDシェフツアー
「食事編」

1日目/昼食

魚沼の里 ブラン ドゥ ブラン


霊峰八海山の麓に位置する複合施設「魚沼の里」。日本酒「八海山」の銘柄で知られる「八海醸造株式会社」が中心となり運営する複合施設です。
「まずは昼食を」と用意された会場「ブラン ドゥ ブラン」において、南魚沼市と包括連携協定を結んでいる「愛知トビー株式会社」のシェフたちが、
同社が展開するバーミキュラブランドの製品を使い料理を振る舞いました。
メニューは、南魚沼産の食材を使った無水カレーと野菜やキノコのソテー。シンプルな調理法で、素材の味を引き出します。

1日目/夕食

欅苑


樹齢1500年の大欅が店名の由来になっている、季節の田舎料理を提供する「欅苑」へ。
明治3年に建てられた古民家には、太い梁と囲炉裏が残り、雪国らしい趣のある空間が広がっています。
最初のお膳は、わけぎ、うど、わかめのぬた、カブの甘酢漬け、うるい、お吸い物。
続いて、自家製ごま豆腐、地物のふきのとうの胡麻味噌和え、れんこんの揚げ饅頭、根菜の炒めなます、自然薯の海苔巻き、
山うどのきんぴら(前年に採取し、塩漬け保存していた山うどを使用)と、地元の食材を使った料理が並びます。

囲炉裏では、岩魚の塩焼きがじっくりと焼き上げられていました。

岩魚を口にした清藤シェフは、
「焦げ目のない焼き方と炭の香りが、淡水魚の味をしっかり引き出しています。岩魚は本来こう焼くものだという、お手本のような一皿ですね」
と感嘆の声をあげていました。

2日目/朝食

たいやきともちゃん


昔ながらのお母ちゃんの味「たいやきともちゃん」で郷土料理体験をすることからスタート。
毎日手づくりしている笹だんご、あんぼ(米粉の生地で具材を包んだ蒸し料理)、ちまき(中華ちまきではなく三角ちまき)、
ふきのとう味噌とからしなます、煮菜(にいな)の3点盛りをいただきました。

笹だんごやちまきは、防腐効果のある笹で包むことで保存性が高まり、持ち運びもしやすいことから、
忙しい農作業の合間に手軽に口にできる食べ物として親しまれてきた郷土料理。
「たいやきともちゃん」では、自家栽培したお米の未熟米(成長が不十分な状態で収穫されたお米)を米粉にし、あんぼや笹だんごの生地にしています。

煮菜は、青菜が採れない冬の間に食べられてきた郷土料理です。
雪が降る前に桶いっぱいに漬けておいた野沢菜は、まず漬物として日々の食卓に並びます。
やがて乳酸発酵が進んで酸味が強くなると、塩抜きをして具材とともに煮込み、「煮菜」として食べるのが定番です。
漬物ばかりでは食べ飽きてしまうための工夫でもあります。
シェフたちは、農作業や冬をしのぐ暮らしと郷土料理が深く結びついていることを感じ取った様子。
「自ら食材を育てて食べる暮らし」「無駄にしない心意気を感じる」といった声が聞かれました。
ホテルで朝食を済ませたばかりにもかかわらず、母ちゃん手作りの郷土料理をぺろりと完食。
素朴ながら、生活の知恵にあふれた味わいに、箸が進んでいたようです。

2日目/昼食

里山十帖


「2023 GOLD EGG」受賞者の穴沢 涼太さんがスーシェフを務める「里山十帖」にて昼食をいただきました。

食事の前に、シェフの桑木野恵子さんが「発酵部屋」を案内くださいました。雪が溶けはじめる4月下旬からは、「毎日山へ行く」という桑木野シェフ。
採ってきたものは、水場で丁寧に洗い、必要な下処理をしてから保存するそうです。
実際に「発酵部屋」に保管されている食材を見ながら、伝統的な保存方法である塩漬け、乾燥食について桑木野シェフから説明していただきました。

今回のコースは、地物のぜんまいやまたたび、山胡桃、切り干し大根などの保存食材に加え、
収穫したばかりの芹や笹竹といった春の山菜が用いられていました。
メインには、山葡萄のソースを添えた猪のソテーや地元産コシヒカリが登場しました。
うどの塩漬けや、冬前に炊いたいちじく、12月に収穫して保存されていた大根なども料理に使われていました。


里山の恵みを味わうファインダイニングに、シェフたちからは、
「食材と向き合う自給自足に近い食生活に、無限の可能性を感じる」
「郷土料理は、本当の意味でサステナブルなのかも」
「こういう世界こそ、かっこいい」
など感嘆の声が聞かれました。

2日目/夕食

なにわ茶屋

左から「2023 GOLD EGG」受賞者の穴沢さん、
清藤さん、西澤さん、白井さん

3代続く日本料理店「なにわ茶屋」にて、参加者3名と南魚沼市の飲食店関係者との懇親会が行われました。
「大崎菜」「八色しいたけ」「ひらくの里ファーム」の特別栽培米コシヒカリなど、ツアーで巡った地元の食材に加えて、
佐渡の牡蠣や寺泊産の海鮮といった新潟県が誇る味覚がふんだんに料理に用いられていました。

シェフたちと地元の飲食店関係者は、それぞれのお店のコンセプトや将来の展望などを話題に活発に意見交換しました。
懇親会の最後には、JR浦佐駅前に店舗を構える「ファミリーダイニング 小玉屋」の小島専務から、
ツアー後に提案されるレシピへの期待や若さと創造力あふれるCLUB REDのシェフたちとの交流の場が設けられたことへの感謝の言葉が述べられました。

3日目/昼食

関農園 FARM FRONT


ギネス世界記録として、4年連続で「世界最高米」原料米の生産者に認定された「関農園」が運営する直売所「FARM FRONT」にて、
おにぎりとつけ合わせ、お味噌汁をいただきました。

お米が炊き上がるまでの火加減や蒸らしの時間は、分単位で細かく調整されています。
「甘みともっちりとした食感は、関農園のお米だから。一粒一粒がしっかりとくっつくので、手でそっと包むように形を整えるだけできれいな丸いおにぎりになります」
と握り手さんが教えてくれました。

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