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【レポート】CLUB RED コラボイベント @Sola Factory co.

レポート 2020.04.30

2020年3月14日・15日、ベイサイドプレイス 博多の「Sola Factory co.」で開催された3人のCLUB REDシェフによるコラボイベント。東京と福岡を拠点に活躍する気鋭のシェフたちに、イベントに込めた思いや今後の展望について話を伺った。

※取材日:2020年3月15日

2日間限りのコラボで腕をふるったのは、「お互いに良き友であり、良きライバル」という吉武広樹氏、米澤文雄氏、藤木千夏氏。人気・実力ともに注目を集める3人だ。

コラボイベントの話が持ち上がったのは約2年前。当初は、パリ3区にある「Mr.T」の宮崎剛次氏、ニューヨーク・マンハッタンにある「MIFUNE New York」の島野雄氏も参加し、藤木氏以外の4人で開催する予定だった。
なかなか互いのスケジュールが合わない中で、ようやく3月14日・15日、「SAGAガストロノミー会議」の開催に合わせてプログラムのひとつとして実施の運びとなったが、新型コロナウイルスの影響を受け「SAGAガストロノミー会議」自体が中止に。海外組の宮崎氏、島野氏も世界情勢を考慮して日本への帰国を取りやめ、本番の10日ほど前に急きょ藤木氏に声をかけて3人で開催することになった。

---2人が帰国できなくなった状況になり大変だったと思いますが、どのようなコンセプトを持って準備をしましたか?

藤木氏「試作して試作して…という感じです。外出も控えている方も多い中で、お客様に来ていただいたからには、ここで春を感じていただけたらという思いはありました」

吉武氏「できるだけ華やかに。器は唐津で。最初の4人でやる時は"九州の食材でやろう”と話していました。今回も全部が九州というわけではないですが、ほぼここにある食材で作りました」

米澤氏「お互いが合わせるのではなく、それぞれが表現したい料理でコラボできればいいかなと。普段自分がお店で提供しているような料理ですね」

吉武氏「帰国できなかった宮崎シェフの料理に関しては、彼の店のホームページの料理を見て、こちらでアレンジしました。"こういうふうに作ろうと思うけどどう?"ってメールすると、逆に"どうやって作ってるの?"って驚かれました。実際に彼が来ていたら、もっとお互いの個性の違いが出て面白い料理ができたと思います 。

---今回のイベントの予約は満席と伺っていますが、どのようなお客様が多いのですか?

吉武氏「"イベントがある時は、ぜひ教えてください"と、普段からおっしゃってくれるお客様がたくさんいらっしゃるので、そういう方にお声かけしました。昼は若い女性が多く、夜は男性のお客様が多い感じですね。instagramをフォローしている方とか。
また、今回はランチに学割を設けました。なかなか普段は、第一線で働く料理人の姿を見ることが少ないと思います。うちはオープンキッチンなので、どういうふうにみんなが動いているのかを見ると勉強や刺激になると思うので。2日目は日曜ということも有り、福岡の飲食業の方にもお声がけしました。福岡以外のシェフとコラボする姿を見てもらえたらと思って」

---水害で倒木した木を薪にしたり、間伐材から作った箸を使うなど、環境にも配慮されたサステナブルな活動をされていますが、それぞれの取り組みがあれば教えてください。

吉武氏「どうせ使うのだったら何か意味のあるものを使いたいと思っています。たまたまオープンの時に薪のことを知ったので、今でも使っています。そういうことにこだわり始めるといろいろなものが見えて来ますね。調理場のゴミ箱の中を空にしたいけど、なかなか難しい。廃棄を出さないということと、ゴミを資源化してうまく循環できるシステムができるといいのですけど。
北九州市でレストランで出たゴミを農家さんに持って行って、農家さんの野菜をレストランで使うというサイクルがあるので、そういうことができればいいですね。コンポストなどを取り入れてで、レストランのゴミをゴミとしての扱いではなく、何かに変えることができないかと考えています。今の世の中、いろいろなものが便利になる反面、循環できなくなっているように感じます。普段は段ボールをメニューにしていて、それで大きく変わるわけではないですが、何かを伝えられたらと。一人ひとり意識することが大切ですよね」

米澤氏「僕は、障害者施設で一緒に料理を作るボランティア活動をしています。東京・品川の障害者施設では、"カフェをやりたい"ということで、ランチの調理指導を。就労支援B型の子たちと一緒に料理を作って、引き出しを広げるお手伝いをしています。得意不得意なことは誰にでもあるので、それぞれができることを見極めることが必要だと感じています。健常者と障害者をなるべく区別をしないということが最初のステップですね。料理人は何でも出来ると思っています。社会福祉活動をすることで新しい働き方を開拓したいと思っているわけではなく、食べるのが好き、作るのが好き、喜んでもらえるのが好き、という料理人の原点に立ち帰って取り組んでいます」

---皆さんのご活躍は注目していきたいのですが、今後の目標があればお聞かせください。

米澤氏「もう1度ニューヨークに行くこと。今まで学んできたいろんなものを、あの街で表現してみたいです。今は、お店もやっているのでそこからいろんなものが派生してきます。目標は日々の生活の中から見つかるんだろうな、来たものをしっかりやることが何かにつながっていくんだろうな、という気がします」

吉武氏「近隣の国の料理人たちと、水産資源をテーマにして福岡か長崎の壱岐対馬でイベントをやりたいですね。韓国、中国、台湾など、同じ海を共有し食材も同じで、違いはどっちで揚がるかというだけであって資源は同じなので。1つのテーマがあると国を超えて意見は違ってもぶつからずゴールに向かっていける。
福岡は特に国交が停滞するとダメージを受ける。政治的な問題はいろいろあったとしても、民間レベルでの人対人はつながっている。そういうことを食を通じて伝えていきたい。この店の立地を選んだ時からずっとそれを考えていました」

藤木氏「同じ料理人でも女性の場合は、ライフイベントの中で、続けていくことをやめてしまう人もたくさんいます。その中で自分らしい形を残せたら良いなと思っています。"自分らしい形"というのは常に模索しています」

 

---若い料理人たちにこう考えて行動してほしいとか、チャレンジしてほしいことはありますか?

吉武氏「今、長く続いているお店でしっかり修行するのが一番良いですね。技術はあるに越したことはないから」

米澤氏「きちんと自分で生き抜くための知識や経験や知恵は身につけるべきだと思います。それが、修行なのか勉強なのか、個人活動なのかは人によると思います。輝かしい20代30代を過ごして、40代50代にも続いていけるように、と僕自身も思っています」

常にグローバルな視野を持ち、サステナブルな取り組みにも積極的に目を向ける3人。今後の活躍に期待したい。

◎ランチメニュー

アミューズ
オマールグリーン(藤木氏)
刻んだオマールやメロン、ストラッチャテッラチーズをシュガースナップの泡で閉じ込めた一品。仕上げにローズマリーの花を添えて。

Kibbeh イスラエル風コロッケ(米澤氏)
煮込んだ牛肉に、スマック・クミン・フェンネル・ピスタチオ・コリアンダーなどのスパイスを混ぜ込んで中東風に仕上げたコロッケ。
フォワグラモナカ(島野氏)
ハーブと和えたフォアグラをモナカで閉じ込めた一品。
蛍烏賊タコス(宮崎氏)
箱を開けるともくもくと桜チップのスモークが溢れ出す仕掛けが楽しい一品。ハードシェルに包まれた蛍烏賊にアボカドのピューレを添えて。

オードブル
鰆と糸島野菜(吉武氏)
長崎より仕入れた鰆と糸島の野菜で春らしく。ソースはクミンスパイスのビネグレット、トマトのフォンダンソース、マスカルポーネのエスプーマ。

ポアソン
春のUmi(藤木氏)

直送の平戸のヒラメを菜の花ペーストと木の芽のオイル、甘夏ソースと一緒に。

ヴィアンド
熊本 経産牛の薪焼き(米澤氏)

3週間熟成させた経産牛の薪焼き。牛すじの濃厚なソース、カイエンペッパー&オリーブオイルで。

デセール
桜苺

桜の花びらのシロップ飴や桜のメレンゲ、トンカ豆のクリームなど。いただく前に、シェフが振りかける桜のシロップで春満開の一皿に。

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