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「家庭でできる 未来のための一皿」4つのレシピ

RED U-35 2021 2021.12.02

RED U-35 2021 ONLINEの最終審査は、ファイナリストの料理人が自らが調理をしない「リモートクッキング審査」でした。

課題は、「家庭でできる未来のための一皿」をテーマにした料理を、食材の予算1万円を上限に、調理師専門学校の生徒2名を遠隔で指示し、40分以内で完成させるというもの。審査が始まるその瞬間まで、調理を担当する生徒たちには、どんな料理を仕上げるのか、一切知らされないという状況において、挑戦者は的確な指示を出せるのか。料理のクオリティーのみならず、料理人の伝える力までもが問われる内容になりました。

4人が提案した「家庭でできる未来のための一皿」のレシピを掲載しますので、ぜひ家庭でチャレンジしてみてください。ファイナリストたちの感性を味わってみてください。

・堀内浩平氏「希望の種」
・野田達也氏「大豆ミートのラグーパスタ 蕪とお米の食べるスープ」
・井上稔浩氏「季節香る 春菊の手延べそうめん」
・ドグエン チラン氏「うちの唐揚げ」

堀内 浩平

●メニュー名 「希望の種」

●コンセプト
今回のテーマを聞いてまず浮かんだのは未来のスーパーです。もしかしたら今より食材の選択肢が限られているかもしれません。そこで、食材はプラントベース、なおかつ未来を支えると期待されている豆類、キノコ、芋、スプラウトなどを使用しました。 今回の大会で僕が一貫して伝えたいのは未来への『希望』です。一次審査の料理『芽吹き』を別の角度で家庭でもできるように表現しました。限られた食材でも工夫次第で美味しいものは作れます。 しかし食べた時には『やっぱり肉や魚が食べたい、牛乳やチーズを入れたい』などの感想を抱く方もいると思います。 その未来を実現するにはどうしたらいいか? そんな事を考えるキッカケの料理になればと思い考案しました。 この料理を作り、食べた人がそれぞれの未来について考え行動する、それが希望の種となり、未来への新たな『芽吹き』になることを願っています。

●材料費(4人前) 1,045円

●材料・分量
【炒め用】
 オリーブオイル 50g
 唐辛子 2本(約1g)
 ニンニク 3片(約20g)
 玉ねぎ 250〜300g(1個)
 みりん 40g
 ミックスビーンズ 100g(水煮か蒸してあるもの)
 ひよこ豆 100g(水煮か蒸してあるもの)
【トマト煮味付け用】
 塩 3g
 出汁パック 1pc(昆布出汁)
 餃子の皮 4枚
 焼き芋 200g
 豆乳 200g
【ピュレ調整用】
 水 20〜30g
 えのき 3〜5g×8
 まいたけ 5〜6g×8
【ピュレ味付け用】
 塩 2.5g
 黒すりごま 2g
 豆苗 5本×4
 レッドキャベツスプラウト 1g×4
 ガルダモンパウダー 0.6g
【えのきソテー用】
 片栗粉 大さじ3
 黒胡椒 適量
【トマト煮込み用】
 荒ごしトマト(カットトマト) 388g(1パック又は1缶)
【トマト煮調整用】
 水 100g
 ドライハーブミックス 2g

●つくりかた
A【豆のスパイストマト煮込み】
1 ニンニクをみじん切り、玉ねぎを4〜5ミリ角にカット 唐辛子の種だけ取る
2 オリーブオイルとニンニク、唐辛子を鍋に入れ弱火にかける、香りがたってきて軽く炒めたら玉ねぎを入れシュエする
3 みりんを加えてアルコールが飛んだらトマト缶、水、豆類を加え、出汁パック、ハーブミックスを入れ煮込む 途中出汁パックを取り除く
4 弱火で水分を飛ばしながら煮込む、仕上げに塩、胡椒で調味して、カルダモンパウダーをくわえる 唐辛子を取り除く

B【焼き芋のピュレ】
1 焼き芋の皮を剥き身を大きめにカット 皮は取っておく
2 焼き芋と豆乳、塩を鍋にいれ沸かす
3 ミキサーにいれ滑らかになるまで回して耐熱ボウルに入れる

C【餃子の皮チップス】
1 餃子の皮を3枚にちぎる
2 フライパンに皮を入れ少し水を入れ焼く

D【焼き芋皮チップス】
1 皮の外側を下にして、オリーブオイルとともに弱火で加熱して、水分を飛ばしチップスにする

E【キノコソテー】
1 えのきを石づきギリギリのところを切り2〜3gに手でちぎる1人前2つ×4
2 まいたけも5〜6gくらいに手でちぎる1人前2つ×4
3 舞茸はオリーブオイルでカリッと焼く、仕上げに薄く塩
4 えのきは片栗粉をふりよく粉を払いオリーブオイルでパリッと焼く 仕上げに薄く塩

F【スプラウト下処理】
1 豆苗は手でちぎり、スプラウトはハサミでカット

G【盛り付け】
1 一番下に焼き芋ピュレをしき、その上に豆の煮込みを盛る
2 餃子の皮、焼き芋の皮、えのき、まいたけをもりつける
3 すりごまをふり、豆苗とスプラウトをのせ完成

野田 達也

●メニュー名 「大豆ミートのラグーパスタ 蕪とお米の食べるスープ」

●コンセプト
ひと手間かかるけれど作ってみたくなるメニュー構成と手軽さを意識しました。
代替え食材を使用した美味しい料理のご提案を。
毎日ではなくとも未来に繋がる食材を取り入れた献立をご家庭でも実践していただけると嬉しいです。

●材料費(4人前) 5,894円

●材料・分量
【パスタソース】
 ★玉葱 1個
 ★人参 半本
 ★セロリ 1/3本
 フルーツトマト 6個
 トマトホール缶 2缶
 塩、胡椒 適量
 大豆ミート 50g(お湯で戻しておく)
 フレッシュバジル 2pc
 パルミジャーノチーズ 50g
 エキストラバージンオリーブオイル 100cc
 タカノツメ 1ケ(割って種を取りのぞく)
 ニンニク 1片
 バター 15g
 パスタ 240g
【蕪とお米のスープ】
 蕪 5個
 お米 50g
 玉葱 1個
 レモングラスの茎 1本
 ココナッツミルク 150cc
 エキストラヴァージンオリーブオイル 60cc
 パイシート 4枚
 卵黄 1個
 バター 15g
 昆布 30g
 モッツァレラブラータチーズ 80g

●つくりかた
【パート1】
1 フライパンにオリーブオイル入れ切れ目を入れ潰したニンニクとペペロンチーノを加え香りを移す
2 ★の香味野菜をエマンセして(1)に加えて炒める
3 フルーツトマトを2cm幅ほどにざく切りにカットして半量を(2)に加える
4 トマトホール缶のふたを開けたハンドブレンダーで撹拌して(3)に加え弱火で煮込む
5 バジルの葉と茎を分けて茎はみじん切りにして葉を飾り用数枚を取り置き(4)に加え煮込む
6 味見をして塩で味を調えたらミキサーで撹拌する
7 オリーブオイルで大豆ミートを炒め塩コショウで味付けしたら(6)を加え加熱し馴染ませる
8 パスタを茹で(7)と合わせバターとパルメザンチーズ、E.V.オリーブオイルを加え混ぜ合わせる
9 器に盛り付けパルメザンチーズ、バジルを飾る

【パート2】
1 深型鍋にココナッツミルクを入れ昆布とお米を加え加熱する
2 玉葱をレモングラスの茎をエマンセにしてオリーブオイルで炒め(1)に加えて煮込む(水分が少なければ水を足す)
3 蕪の皮を剥いて2cm幅ほどにざく切りして2/3量を(2)に加えて煮込む
4 パイシートを器の大きさに合わせてカットして格子状に模様をつけ卵液を塗る(途中で3回位にわけて塗り分ける)
5 (3)に火が入ったらハンドブレンダーで撹拌して残りの蕪を加えひと煮立ちさせる塩で味を調える
6 スープカップの淵にバターを塗り(5)を注ぎいれモッツァレラブラータをちぎりいれるオリーブオイルをたらす
7 パイシートをかぶせて200度のオーブンで焼き色がつくまで焼く

※最終審査では工程を変更したため、料理写真にはパイシートが入っていません。ご了承ください。

井上 稔浩

●メニュー名「季節香る 春菊の手延べそうめん」

●コンセプト
日頃。目にするのだけど、身近ではなくなってしまっている日本らしさがある食材を、料理を通して、美味しいを通して。足元にあるものが、こんなにも豊かなものなのかと。伝えたい。そんな想いでこの一皿を考えました。料理はその土地の物語です。その心は、「想像する心」「思いやる心」です。今ある豊かさに気づき、昔ながらの知恵や工夫を学び生かすことで、無理矛盾なく家庭でも楽しめる一皿に繋がると思います。レシピも大切ですが、それ以上に「思う心」と美味しい一皿の先に、笑顔があることを願って。そんな未来に繋がる一皿のきっかけになれば幸せです。

●材料費(4人前) 1,570円

●材料・分量
【ソース】
 あさり 300g(砂抜き済み)
 軟水 600cc
 春菊 240g(葉の部分)
 氷 適量
【フレバーオイル】
 にんにく 2片
 太白ごま油 50cc
 梅干し(昔ながらの) 3個(無添加)
【麺】
 手延べそうめん 180g
【仕上げ】
 ゆず(黄) 2個

●つくりかた
A【フレバーオイル】
1 常温の太白ごま油を鍋にいれ、ニンニクを刻み弱火で油に香りをうつす
2 ザルでこし、冷ます
3 梅干しを種から外し、よく刻み、にんにんくオイルと合える

B【春菊のスープ】
1 春菊を綺麗に水洗いし、硬い軸と柔らかい葉に分ける
2 アサリを鍋に入れ、あさりがつかる程の軟水を注ぎ、火にかける
3 沸騰し、こまめにアク引きをし5分ほど煮だし、味をみながら塩梅をはかる
4 ザルでこし、アサリの身は別にとりおく
5 春菊の葉の部分を塩ゆでし、氷水でしめ、ペーパーでよく水気をきる
6 春菊はざく切りにしアサリのダシとともにミキサーでまわし、味をととのえる

C【麺】
1 たっぷりのお湯で素麺を1分15秒ゆでる
2 ざるにあげ、布でかるく水気を切り、ボールの中でフレバーオイルとあえる

D【仕上げ】
1 お皿に春菊のスープを注ぎ、真ん中に取り置いたアサリの身をおく
2 アサリの身の上に、オイルであえた素麺を美しく盛る
3 ゆずの皮を刻み少量と、麺の上に軽く絞る

ドグエン チラン

●メニュー名 「うちの唐揚げ」

●コンセプト
未来を「家族といる時間」と定義し、まず親子やパートナーが一緒に作れるメニューにしたいと考えました。そこで子どもにも大人にも人気のあるメニューから、唐揚げという一見完成しきった料理を選び、ベトナムのターメリックで炊き込んだ鶏おこわ(ソイガー)にヒントを得てレシピを考案しました。買い出しや調理過程から役割分担し、ときには失敗しながら助け合い一品を仕上げることで、食べるときの会話がより弾むものになればと思います。伝えたいのは、料理や食事が単なる労働や消費ではなく、心を豊かにしてくれる時間であるということです。そして料理はあくまで豊かな時間を演出する脇役であり、それを囲む人たちが主役であってほしいと思います。今回はベトナム風にアレンジするなかで、より多くの人に楽しんでもらえるよう小麦や卵といった代表的なアレルギー食材は外しました。食材に触れる機会が増えることで、家庭における食育の入り口になれば嬉しいです。

●材料費(4人前) 5,000円

●材料・分量
【主食材】
 地鶏もも肉 1,000g
 塩 15g
【マリネ】
 ココナッツミルク 200g
 生姜 20g
 にんにく 10g
【揚げ用】
 米油 1,350g
【衣】
 米粉 200g
 ターメリックパウダー 10g
 五香粉 6g
【タレ】
 ナンプラー 50g
 砂糖 20g
 ライム(レモン) 2個
 みょうが 2個
【薬味】
 えごま(大葉) 10枚
 赤たで 適量(2パック)

●つくりかた
A【下準備】
1 (子)ボウルに水を張り、えごまを浸して軽く水を切り、ペーパーに包みラップして冷蔵庫に入れる
  (親)鶏肉に塩をふり、約30〜40gに切り分ける
2 (子)生姜・にんにく・ココナッツミルクをボールに合わせてマリネ液をつくる
  (親)米油を鍋に入れ弱火にかけ、バットと揚げ網を用意する
3 (子)ゴム手袋をして鶏肉を揉み込み漬けておく
  (親)米粉・ターメリック・五香粉をボールに合わせ衣をつくる

B【調理】
4 (子)えごまを千切りしておく、ラップして冷蔵庫へ
  (親)鶏肉のマリネ液を軽く切って、衣をまぶしておく
5 (子)耐熱容器にナンプラー・砂糖を入れレンジ10秒にかけて溶かす/みじん切りにしたみょうが・絞った柑橘を合わせてタレをつくリ、冷蔵庫で冷やしておく
  (親)180度に達したら油の温度が下がらないように少しずつ揚げていく/一度すべてを3分揚げて一度バットに取り出し、最後に1分二度揚げする

C【盛付け】
6 (子)皿を必要数並べておく
  (親)唐揚げを盛り付ける
7 (子)えごまをから揚げにふんわりのせ、赤たでを散らす
  (親)タレを器に取り分けて、スプーンを添える

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