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夏の京都といえば祇園祭、晴れた夏の日お囃子が流れ多くの人が山車を引く姿を想像しながら作りました、御神体が水を祀る神様で祭りの期間中は水々しい瓜や茄子を御供えします。そこから着想し、茄子は素麺状に切りお出汁で炊いて固め、崩すとお出汁と一緒に召し上がって頂ける仕立てにし、生命力の象徴である鱧を胡瓜で巻き夏の暑さで疲れた体を元気づける一皿に仕上げました。 近年タンパク源や、漁場環境改善の効果を期待されている海藻食。その中で注文されるアカモクを使用し千年続く日本の伝統と、これから先を生きる子供達に資源を残し守る大切さを表現しました。 祇園祭は神様が旅の途中、困ったところを助けてもらい恩返しをするという神話から始まったと伝わります。 国際的な争いが続く中その他者を助けようとする姿勢は、現代を生きる私たちにとって大切にすべき姿勢だと思います。 世界と日本の平和を願いこの一皿を提案いたします。
私と祖母の思い出を料理にした一品です。京料理を学ぶ私と、京都で茶道を学びそれを次世代に継承していた祖母の合作です。地域の味の違いに興味を持つきっかけとなった味噌。そのルーツのひとつである金山寺味噌を使用しました。米、麦大豆、茄子、瓜等の野菜で作られている金山寺味噌は、夏野菜をお供えする祇園祭りと繋がりがあると考えましま。メインの食材は鱧です。夏の鱧は脂が少ない為、表面だけに味噌を浸けることによって旨味を加えました。骨切りした後、皮を引き、焼き茄子と大葉、加熱した金山寺味噌と一緒に鱧で巻き、オーブンで焼きます。夏の茶事で使われる平茶碗を使用し、夏らしさも表現しました。金山寺味噌のたまりは、醤油のルーツとも言われており、今回は醤油の代わりとして使用しています。京都の玉露と抹茶を一番出志と合わせ旨味を引き出し、木の芽を叩いて淹れたての抹茶を表現しました