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【日本博×CLUB RED Labo #3】鶴岡での学びを生かし、郷土の食文化をコース料理として再構築! 本番に向けた試作・試食会をレポート

レポート 2020.12.14

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う「日本博×CLUB RED 日本を旅するダイニング in 東北」ダイニングイベント開催中止のお知らせ
▶︎ 詳細はこちらをご覧ください https://www.redu35.jp/nihonhaku-clubred

明日の料理界を担う若き才能を発掘するコンペティション、「RED U-35」で優秀な成績をおさめた料理人や歴代の審査員が集う食のクリエティブ・ラボ「CLUB RED」と、文化庁と独立行政法人日本芸術文化振興会が主催する「日本博」とのコラボレーション「日本博×CLUB RED」。その第一弾プロジェクトが、「日本博×CLUB RED 日本を旅するダイニング in 東北」である。

郷土料理の体験と学びを
コース料理に昇華

北海道から本州、四国、九州、沖縄まで、日本各地に伝わる郷土料理を掘り起こし、伝播させることを目指す同プロジェクトの最初の舞台となったのは山形県鶴岡市。メンバーには、開催地にちなみ東北および近隣出身の以下6名の精鋭が集結した。

酒井 研野氏(青森県黒石市出身/日本料理/京、静華<京都府>)
菅田 幹郎氏(岩手県遠野市出身/イタリア料理/おのひづめ<岩手県>)
成田 陽平氏(青森県弘前市出身/日本料理/菊乃井本店<京都府>)
早川 光氏(秋田県鹿角市出身/イタリア料理/XEX 東京 Salvatore Cuomo Bros.<東京都>)
廣川 拓渡氏(新潟県新発田市出身/フランス料理/イーストギャラリー<東京都>)
福嶋 拓氏(山形県米沢市出身/中国料理/Turandot臥龍居<東京都>)
※カッコ内は、出身地、専門ジャンル、現在の所属店(地域)

「Labo #1 ~勉強の会~」(2020年9月23日開催)で郷土料理の概論を学んだ彼らは、郷土料理で使われる素材や調理法、保存技術を学ぶべく、山形県鶴岡市へ。この「Labo #2 ~探訪の会~」(同年10月12~13日開催)開催時に交流を深めた地元の若手料理人3名(以下)がサポートメンバーとして参加。

齋藤 翔太氏(山形県鶴岡市出身/日本料理/庄内ざっこ)
有坂 公寿氏(秋田県角館町(現仙北市)出身/フランス料理/ポム・ド・テール)
五十嵐 督敬氏(山形県鶴岡市出身/イタリア料理/ブランブラン・ガストロパブ)
※カッコ内は、出身地、専門ジャンル、現在の所属店

東北ゆかりの料理人がチームを組み、郷土料理について学んだ成果をコース料理にまとめ、2021年2月27日(土)に開催するダイニングイベントで一般の方々にふるまうこと。それこそが本プロジェクトのゴールである。

今回レポートするのは、2020年11月20日、都内某所にて本番に向けて開催された「Labo #3 ~試作の会〜」の様子。若き才能の結集によって生まれる新世代の郷土料理に注目が集まった。

課題を抱えながら迎えた
試作・試食会当日

「Labo #2 ~探訪の会~」以降、チームは試食会に向けてオンライン会議を繰り返し、さまざまな課題を検討しながら、コース料理を試作してきた。

厨房設備もクリアすべき大きな課題のひとつだった。当日会場となる出羽三山神社 羽黒山参籠所 斎館の厨房は、精進料理に特化したものなので、レストランのような充実した設備を持たないのだ。そんな条件下において、前菜、メイン、デザートへと続くコースの多様性をいかにして確保するか。また、誰が何皿目を担当するのか、各皿の主役の食材には何を選ぶべきかなど、議題は多岐にわたったという。

オンラインでの話し合いを重ねながら各自が試作を繰り返し、たどり着いたのがこの日の試食会で披露されたコース料理である。しかし、万全の準備をして臨んだものの、メンバーたちにはある共通の不安があった。

それは、日本料理をはじめフランス料理、イタリア料理、中国料理など、異なるジャンルの料理人が担当した各皿の連なりが、はたしてコースとしての統一感を表現できているのか、ということ。「Labo #2 ~探訪の会~」以来、はじめて顔を合わせた6名にとって、その流れを確認することが最大のミッションでもあった。

明確になった課題
コース料理は大幅変更?!

新たな“郷土料理”のコースを試食したのは、日本博×CLUB REDプロデューサーの二人、「RED U-35」総合プロデューサーである小山薫堂氏と、同審査員の狐野扶実子氏である。6名の料理人によって手際よく仕上げられた料理がコースの順番通りに供され、試食する両名を前に、各皿の担当者によるコンセプトの説明が行われた。

「料理のタイトルも含めワクワクする秀逸なひと皿」、「純粋に美味しい」など、「RED U-35」において優れた成績を残した実力者ぞろいだけあって、各料理に対する小山、狐野両氏の評価は概ね高かった。

しかし、狐野氏からは「伝えたい想いはわかるが、もう少し情報を整理したほうがいい料理もある」という指摘があった一方、小山氏からは「メイン食材をさらに明確にすべき」というプレゼンテーションに対するアドバイスも。さらには前後の流れから、順番の組み替えや、料理自体の再検討が促される場面もあった。

さらに、当日の気候についても改めて検討された。本番は2月下旬の山形県鶴岡市。しかも、会場となる出羽三山神社 羽黒山参籠所 斎館は雪深い山のなかである。「温かい汁物を最初にお出ししたい」、「大きな器よりも小さな漆器で汁物を出すほうが冷めにくいのでは?」、「ペアリングのお酒に熱燗も組み込むべきか」、「真冬とはいえ、温かい料理ばかりではなく冷たい料理でアクセントをつけたほうがいい」などの意見も。

もっとも議論が尽くされたのは、やはり「東北の郷土料理」をテーマとしたコース料理としてのクオリティについてである。伝統に敬意を払いつつも、その現在、そして未来の姿を提案できるか否か--。この難題に対し日本の伝統料理を海外の調理法で再構築するなど各自が果敢にチャレンジした皿が並ぶなか、テーマを表現しつつ違和感なくまとまっているか、素材や調理法に偏りはないか、全体の塩気のバランスなど、小山、狐野両氏とともにチェックが行われた。

徹底したディスカッションで
深まる若手料理人たちの絆

そしていよいよ試食は、メインディッシュへ。この日、用意されたのは、山形の芋煮に中華のエッセンスを加えた料理と、山形の郷土料理「どんがら汁」にヒントを得た寒鱈の雑炊の2皿。ともにコンセプトや調理法のロジックについては合格点だったが、小山氏からは「中心素材が芋や米では、メインディッシュとしては物足りないのではないか?」という指摘がなされた。

これを受け、メンバー間での議論も白熱。「素材を変えてみたらどうだろう?」「となると前後のお皿はこう変えたら?」など、互いの意見を尊重しながら、若き才能たちは次々と最適解を導き出していった。最終的には、当初の構想とは大幅に異なるコースになる模様だ。

およそ2時間にわたるディスカッションを終えた彼らの口から出たのは仲間への感謝の言葉だった。「オンラインでの対話だけでは少々不安だったので、顔を見ながらのコミュニケーションができてほっとした」、「専門のジャンル的に、どうしても使い慣れない素材や調理法があったりするので、メンバーに教えを乞えてよかった」--そう語る彼らの表情は、一様に晴れ晴れとしていた。彼らのコメントから、回を重ねるたびにメンバーの絆が深まっているのがわかる。2月の本番まで試行錯誤は続くだろう。

今回の「Labo #3 ~試作の会~」を経て、イベントタイトルは「日本博×CLUB RED 日本を旅するダイニング in 東北」に決定された。はたしてどんなコース料理で旅に誘ってくれるのか。本番を楽しみに待ちたい。

▶︎ 過去の記事はこちら
【日本博×CLUB RED Labo#1】郷土料理を、若手精鋭料理人が学び、創り、発信する!新プロジェクトがスタート
【日本博×CLUB RED Labo#2】舞台は山形県鶴岡市へ! 食材のユートピアで日本の食文化を学ぶ

▶︎ イベント開催概要はこちら
日本博×CLUB RED 日本を旅するダイニング in 東北

※About
日本博 Japan Cultural Expo 縄文から現代まで続く「日本の美」
「日本博」は、総合テーマ「日本人と自然」の下、日本全国で日本の文化芸術に流れる「日本の美」を国内外へ発信し、次世代に伝えることで更なる未来を創生を目指す文化芸術の祭典です。日本各地で行われる日本博が、人々の交流を促して感動を呼び起こし、世界の多様性の尊重、普遍性の共有、平和の祈りへとつながることを希求します。
主催:文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会
https://japanculturalexpo.bunka.go.jp

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