RED U-35RED U-35

メニュー

【高知県×CLUB RED ♯1】レポート|オンライン中継初開催!高知県の食材と食文化を学ぶ「オンライン産地見学会」~前編~

レポート 2022.01.21

高知県の食を学び、創造し、発信する「高知県×CLUB RED」

高知県は四国の南側に位置し、黒潮が流れる太平洋に面していることから、カツオをはじめ豊富な海の幸に恵まれた土地柄です。そのため、カツオやウツボのたたきなど、海産物を活かした郷土料理が数多くあります。
また、四万十川に代表される清流や緑深い山々など里山の恵みや農産・畜産物も高知県の食文化の一端を担っています。

「高知県×CLUB RED」プロジェクトは、高知県「令和3年度水産物外商活動支援事業」として、高知県の数ある食材の魅力を県外の飲食店に伝え、若手料理人の視点による斬新なアイデアで普及活動を行っていくものです。
高知県の食について学び、新しい発想で料理を創造し、全国へ発信する。さらに、グループ活動を通じてサスティナビリティの観点で課題解決を行うことで、豊かな資源を守っていきたいと考えます。
※CLUB REDは、歴代のRED U-35コンペティションにおいて優秀な成績をおさめた若手料理人と歴代の審査員が集うコミュニティであり、食のクリエイティブ・ラボ。

生産者と料理人をつなぐ「オンライン産地見学会」を開催

2021年10月20日、料理人20名が全国から大阪に集結しました。
この日は、高知県の県産品を学び理解を深めるための「オンライン産地見学会」を実施。大阪と高知をオンラインでつなぎ、食材についての知識や、高知の食文化について、生産者や専門家が料理人たちにレクチャーしました。

高知県では、2014年に「高知県の魚応援店制度」を創設、高知県の水産物の魅力を県外の飲食店に伝える活動を推進してきました。この制度の趣旨に賛同し、登録している県外の飲食店数は、全国1,030店舗(2021年9月月現在)。
今回CLUB REDの料理人たちはこの活動に賛同し、「高知家の魚応援の店」に参画。そこで、高知県内の生産者・事業者が食材や産地の魅力を伝え、今後に向けた課題解決を共に考えるために「オンライン産地見学会」が行われたのです。

高知県内6か所からライブ中継で生産者をレポート

高知県側では、水産物をはじめ農産物や畜産物、加工品などの事業者が待機、順次ライブレポートやプレゼンテーションが行われました。
まず、県内6か所の水産業者を6人のレポーターが訪ね、それぞれの魅力とこだわりのポイントなどを伝えるライブ中継を試食とともに実施。CLUB REDのメンバーは、生産者の話を中継で見聞きしながら、試食品を味わいました。

ライブ中継のトップバッターは、須崎市(すさきし)浜町(はままち)の九石大敷(くいしおおいし)組合です。「九石締め」による神経締めの実演を見学しながら、スマ(ヒラソウダ)、ヨコワ(マグロの子ども)の刺身を試食。一匹一匹、手作業で行う神経締めは手間暇かかるため、取り組んでいる漁業団体は全国的にも少ないとのこと。
また、代々行われてきた定置網漁は、実際に漁獲できるのが3割程度ということから、海洋資源にやさしい漁法と言えます。

次に訪れたのは四国一小さい町、田野町(たのちょう)のカネアリ水産。この日はあいにくの大シケでしたが、前日は豊漁で賑わい、キハダマグロやシロカワカジキなどが揚がっていたとのこと。
カネアリ水産では、『土佐沖どれ金目鯛』のブランド名を持つキンメダイや干物、加工品を出荷しています。キンメダイは漁場が近いため、釣りたてでお腹の色が銀白色の状態で水揚げされるそうです。料理人からは、干物のサイズや配送日数など具体的な質問がありました。

愛媛県との県境に位置する宿毛(すくも)の与力(よりき)水産。トロ箱の中には、前日に上がったという大型のイセエビと、ウチワエビに似たゾウリエビがありました。宿毛湾周辺海域は「魚のゆりかご」「天然の養殖場」と呼ばれるほど魚種が豊富だとか。
12月になるとセミエビという全国的に珍しく高価なエビが上がるとのお話に、料理人たちが興味を示し、サイズや禁漁期間、配送方法や流通コストなどの詳細を尋ね、前向きに検討する様子が見られました。

四か所目、漁師町として知られる中土佐町(なかとさちょう)久礼(くれ)の久礼大正市場内にある田中(たなか)鮮魚店へ。観光客が数多く訪れるこの市場、4人の切り手が1日50~100本のカツオを捌くという手際で、1本あたり約2分であっという間にカツオが綺麗な柵(さく)に切り分けられます。地元の人たちは、たたきにすることなく刺身で味わうとか。
「カツオの変色を防ぐ裏技はありますか?」という質問に、骨つきのまま納めて0℃~-1℃で保管するという方法が伝授されました。

新谷(にいや)商店は、2021年に創業100年を迎えた宗田節の老舗。宗田節の製造方法と加工商品が紹介されました。メジカ(マルソウダ)は漁獲時期によって大きさが異なり、生で400〜450gの「寒目近(かんめじか)」が脂少なく風味のある最高級の宗田節になるそうです。
大阪会場では、試食を終えたシェフからSDGsの取り組みについての質問が。1本釣りという漁法、焙乾に広葉樹を使用、不要な部分は魚粉にして飼料・肥料にするなどで制度に登録するとの回答がありました。

最後の中継は高知市内の春野町(はるのちょう)、田園風景の中でチョウザメの養殖を行っているとくひろと、加工品販売・OEMを担う興洋(こうよう)フリーズに、チョウザメとキャビアについてインタビュー。会場では、熟成キャビアと熟成チョウザメのスライスを提供。
シェフからは「外国産キャビアに比べて塩分が少なく、味わいが全く違うので驚きました」という感想が。チョウザメの身も出荷しているということで、興味を惹かれた料理人も多かったようです。

高知県産食材を扱う事業者によるプレゼンテーション

高知会場には高知県内の事業者が集合し、リモート参加を含めて12事業者が3分間の持ち時間で取扱商品をアピールしたのちに質疑応答が行われました。同時に大阪会場では、随時試食品が提供され、シェフたちは試食をしながら中継に聞き入っていました。(カッコ内は試食提供品)

①四万十川上流淡水漁業協同組合(鮎)
四万十川で獲れた天然鮎を1匹ずつ真空冷凍、試食品は70〜80gのサイズ。漁法はおとり鮎を用いる「友掛け漁」、投げ網漁、松明を振って鮎を網に追い込む「火振り漁」があります。漁場によって食べているエサが変わるので、味わいも変わってくるということです。

②合同会社Haruna(野菜詰め合わせ)
野菜を中心に東京都内約200店舗に出荷。生産者からの直送では送料が気になる野菜の梱包をまとめることでコストダウンを実現。大阪会場にはリュウキュウ、ハヤセウリ、ベルピーマンなどが食材として提供されました。

③株式会社四国健商(冷凍かつお、マダイ藁焼き)
東京・銀座のアンテナショップ「まるごと高知」で10年連続売り上げ1位の「万能おかず生姜」を扱う。また、丸竹たたき工房のカツオたたきを高知市卸売市場から直送。藁は全て国産、最初から最後まで全て手焼きのこだわり。藁焼きをして翌日にはチルド便で届くのだとか。「塩、ポン酢以外の食べ方を提案していただければ」という問いかけに、魚が良い状態で届くので和食以外の食べ方も良さそうとの声。

④四万十うなぎ販売株式会社(うなぎの白焼き、蒲焼き)
四万十町にて、シラスウナギ(天然の稚魚)にこだわった養殖を行う。水質管理、エサの質にもこだわり、ウナギの加工、販売まで一貫して行っています。「ウナギの味は白焼きでわかりますので、ぜひ味わってください」。

⑤四万十生産有限会社(鮎の一夜干し、鮎のうるか)
四万十川の伏流水で養殖したアユを加工・販売。漁協との協働により、放流後のアユを育てている。一夜干し用の鮎の内臓をうるかに使用。産卵期の卵だけで作るという塩辛の話に、料理人たちは興味津々の様子でした。

⑥有限会社竹内商店(本枯節、鰹だし削り、土佐のぶしみそ)
昔ながらの伝統製法による最高級の本鰹節、本枯れ節を製造・販売している。2012年には農林水産大臣賞を受賞。また、2021年7月に無形登録文化財(全国第1号)として登録された「土佐節の製造技術」で製造。「フランス料理にはなかなか鰹節を使いませんが、穏やかな味で旨みがあり、使ってみたい」との声が。

⑦株式会社土佐まなべ商店(かつおの塩辛プレーン・特上、かつおの発酵塩オリジナル・山椒)
酒盗(カツオの塩辛)を中心に製造・販売。カツオの内臓を塩だけで発酵・熟成させる酒盗は、十月十日かかる。試食品のラベルを見て「原材料の焼酎とは?」の質問には、司牡丹の米焼酎を使用しているとの回答でした。

⑧株式会社森国商店(しらす干し、冷凍ドロメ)
創業134年、加工場の前で揚がった新鮮なシラスをスピーディに冷凍加工。ドロメとはイワシの稚魚、生シラスのこと。解凍後保存がきかないので食べきりの少量パックが基本。水揚げ直後に発送した新鮮な商品を試食に。

⑨有限会社ヤマア(宗田節削り業務用、ラーメンにのせる宗田節オイル、パンにのせる宗田節ディップ)
宗田節製造会社として業務用販売とともに、一般消費者向けの新商品開発も手がける。この日、宗田節ディップ、14倍濃縮の万能だしは発売の当日でした。宗田節の可能性を広げたいという意欲が料理人たちにも伝わったようです。

⑩大豊町碁石茶協同組合(発酵茶飲料、発酵茶茶葉)
伝統製法による碁石茶は日本では希少な完全発酵茶のひとつ。近年では健康機能が注目されている一方、欧米からの引き合いも。生産者は4農家1法人。「これからも地元で守っていってほしい」との声に話者が感激する一幕も。

⑪合同会社土佐あぐりーど(はちきん地鶏のわらやきローストチキン)
土佐はちきん地鶏、土佐ジロー、土佐あかうしなど畜産物を紹介。「土佐ジローとはちきん地鶏の違いは?」の質問に「土佐ジローは1.5kgほどで卵も小ぶり、旨味が強い。はちきんは肉専用の地鶏で3kg、ジューシーな身質」

⑫有限会社ソルティーブ(粒が粗い塩、細かい塩)
「土佐の塩丸」ブランドの天日塩。自然の力だけで結晶させるこだわりの塩作りに「どうして塩づくりを始めたのですか?」と、その人となりまで気になった模様。粒が粗い塩はよさこい祭りの塩分補給にも使われるとか。

■高知県産地見学会ライブ中継地・プレゼンテーション事業者

高知県からのライブ中継やプレゼンテーションは次々と食材や商品の紹介があり、まるで現地にいるかのような感覚となりました。
(後編へ続く)

「高知県×CLUB RED」に参加するCLUB REDの若手料理人たち

■グループA[カテゴリー:流通拡大につながる取り組み]
波多江優貴(フランス料理/ララシャンス迎賓館大分/大分県)福岡県出身
早川光(イタリア料理/XEX 東京 Salvatore Cuomo Bros./東京都)秋田県出身
高木和也(フランス料理/ars/東京都)千葉県出身
酒井研野(日本料理/日本料理 研野/京都府)青森県出身
江口直樹(日本料理/懐石料理 紀仙/東京都)東京都出身

■フループB[カテゴリー:SDGs]
八濱貴将(イタリア料理/リストランテ ラッフィナート/兵庫県)兵庫県出身
立岩幸四郎(中国料理/Wakiya一笑美茶樓/東京都)兵庫県出身
新開才也(フランス料理/プルミエレタージュ/東京都)東京都出身
白竹俊貴(フランス料理/PERTICA/大阪府)兵庫県出身
新崎鉄城(スペイン料理/TexturA/東京都)沖縄県出身

■グループC[カテゴリー:食材・料理の付加価値]
西山晋(フランス料理/ボンヴィラージュ・オゼ/大阪府)大阪府出身
濱多雄太(日本料理/浜多屋 魚津駅前店 hamadaya LABO/富山県)富山県出身
盛山貴行(日本料理/粲 s.l.m/東京都)東京都出身
土肥秀幸(フランス料理/la Maison de GRACIANI KOBE KITANO/兵庫県)福井県出身
青木伸吉(フランス料理/Bistro and A/大阪府)大阪府出身

■グループD[カテゴリー:高知ブランド発信]
花田洋平(中国料理/ANAクラウンプラザホテル大阪 中国料理 花梨/大阪府)和歌山県出身
藤崎亮平(イタリア料理/SALVATORE CUOMO/東京都)佐賀県出身
武本南(フランス料理/北野嘉也事務所 ゲストハウス/東京都)宮崎県出身
朴木祐人(中国料理/の弥七/東京都)高知県出身
小野淳一(フランス料理/レストラン レオーニ/岡山県)岡山県出身

PROJECTパートナー

関連するシェフ

SHARE

TEAM OF RED PROJECT

RED U-35 2022

ORGANIZERS主催
CO-ORGANIZERS共催
SUPPORTER
CHEF SUPPORTERS
WE SUPPORT
後援